愛知県名古屋市で買取させていただいた、Mamiya 7 N 4 65mm Lをご紹介します。
マミヤ光機株式会社は、1940年5月に東京都文京区(当時の東京市本郷区)にマミヤ光機製作所として設立されました。発明家の間宮精一の技術と、菅原垣二郎の資本を元にカメラ製造を開始しました。
1984年、海外でのカメラ販売を手掛けていた主要株主の大沢商会が倒産し、会社更生法に基づく更生手続きを開始。この期間中、35mmフィルムカメラ(ミラクルマウントを搭載したマミヤZEシリーズ)の生産を中止し、中判カメラの製造に集中しました。
その後、1992年マミヤ光機が釣具機器メーカーのオリムピックに吸収合併され、1993年社名をマミヤ・オーピーに変更。合併後も「Mamiya」ブランドのカメラは継続されています。

Mamiya 7 N 4 65mm Lは、1990年代後半に登場した中判レンジファインダーカメラ「Mamiya 7」シリーズの後期モデルで、35mm判では到底得られない高精細で立体感のある描写を実現した名機です。Mamiya 7は1995年に初代モデルが発売され、改良型の「Mamiya 7 II」が1999年に登場しましたが、「Mamiya 7 N 4 65mm L」はその中でも特に完成度の高いセットとして知られています。ここでの“4 65mm L”は、標準セットとして付属する「Mamiya N 65mm F4 L」レンズを指しており、このレンズは6×7判フォーマットにおける準広角レンズとして扱われます。

このN 65mm F4 Lは、35mm判換算で約32mm相当の画角を持ち、風景やスナップ、ポートレートなどに幅広く対応します。光学設計には低分散レンズや高精度コーティングが採用されており、抜群のシャープネスと豊かな階調表現を両立。歪みの少ない自然な描写は、プロの写真家からも高く評価されました。さらに、Mamiya 7のレンジファインダー機構は高精度で、マニュアルフォーカスながら軽快でスムーズな操作感を実現しています。

Mamiya 7シリーズ最大の特徴は、6×7cm判(120/220ロールフィルム)による高画質と軽量ボディの両立にあります。中判一眼レフよりも遥かにコンパクトでありながら、レンズ交換式で、広角から中望遠まで豊富なラインナップが用意されていました。シャッターはレンズ内蔵のリーフシャッター式を採用しており、静粛かつブレの少ない撮影が可能です。また、フラッシュ同調速度は1/500秒と高速で、日中シンクロなどにも対応できる点が大きな利点でした。
【スペック】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | Mamiya 7 N 4 65mm L |
| 発売年 | 1995年(Mamiya 7)、1999年(Mamiya 7 II)頃のセット構成 |
| カメラ形式 | レンズ交換式中判レンジファインダーカメラ |
| 使用フィルム | 120 / 220 ロールフィルム(6×7cm判) |
| 付属標準レンズ | Mamiya N 65mm F4 L(35mm判換算:約32mm) |
| レンズ構成 | 8群10枚、内蔵リーフシャッター式 |
| シャッター速度 | 1/500~4秒、B、Tモード |
| ファインダー方式 | 連動距離計式ブライトフレーム付光学ファインダー |
| 露出モード | 絞り優先AE / マニュアル |
| フラッシュ同調速度 | 1/500秒 |
| 電源 | 4LR44 / 6V電池 |
| サイズ | 約160×120×69mm(ボディ) |
| 重量 | 約1,120g(65mmレンズ装着時) |
| 画素数 | 該当なし(フィルム式) |
| 販売台数 | 非公表 |
| 特徴 | 高精細・低歪み・軽量設計の中判レンジファインダーカメラ |
| 推奨ジャンル | 風景、スナップ、ポートレート、旅写真 |
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