長野県安曇野市で買取させていただいた、Mosrite BLUE RITE CUSTOMをご紹介します。
Mosrite(モズライト)はアメリカ合衆国カリフォルニア州ベーカーズフィールドを拠点に、1950年代にセミー・モズレーによって設立されたギターメーカーです。その名前は、創設者モズレーと投資家である牧師ボートライトの名前を組み合わせたものです。
モズライトは、独特なデザインと音響特性で知られています。特に「The Ventures Model」は、1960年代のサーフロックやガレージロックシーンで大きな影響を与えました。ゼロフレットや細身のネック、独自のトレモロユニットなどの革新的な設計が特徴です。
モズライトの歴史は波乱に満ちており、幾度かの倒産を経験しましたが、その後も日本を含む世界中で愛され続けています。現在では、モズライトの製品は複数の会社によって製造されており、京都に拠点を置く「モズライトUS」や「フィルモア・モズライト」、黒雲製作所などがそれぞれのラインナップを展開しています。

モズライト「Blue Rite Custom」は、極めて少数のみが製作された非常に希少なカスタムモデルで、一般的なモズライトとは一線を画す独自の魅力を持ったギターです。ボディ形状は、ヤマハSG-7を思わせる独特なラインを持ちながら、モズライトのパーツや構造を融合させたハイブリッドスタイルで、強い個性を放ちます。製作は黒雲製作所によるもので、現存する資料が極めて少ないため詳細は不明な点もありますが、当時のクラフトマンシップが凝縮されたモデルであることは間違いありません。

ピックアップには黒雲製オリジナルのL-2800F(フロント)、L-2800R(リア)を標準仕様として搭載。これにより、モズライトらしい鋭く切れ込む高音域と、力強くもクリアな中低音を両立しています。さらに、Vibramuteトレモロユニットを搭載することで、滑らかなアーミングを可能にし、サーフロックやインストゥルメンタルで求められる独特の揺らぎを生み出します。

特定の著名アーティストによる使用例は確認されていないものの、モズライトならではのトーンを持ちながら、より個性的なルックスや構造を求めるプレイヤーには理想的な一本です。特に、サーフロックやインストゥルメンタル、グループ・サウンズ系の音楽を演奏するギタリストにとって、唯一無二の音色と演奏性を提供します。また、希少性が非常に高いため、コレクターズアイテムとしても価値があり、音楽的にも所有欲を満たしてくれる特別なギターといえるでしょう。
【スペック】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル名 | Mosrite Blue Rite Custom Style MG |
| 製作元 | 黒雲製作所(少数製作) |
| ボディ材 | バスウッド |
| ネック材 | メイプル |
| 指板材 | ローズウッド |
| フレット数 | 22F |
| ピックアップ | 黒雲製 L-2800F(フロント)、L-2800R(リア)※標準仕様 |
| コントロール | 1ボリューム、1トーン、3WAYトグルスイッチ |
| ブリッジ | ローラーブリッジ+Vibramuteトレモロユニット |
| ペグ | GOTOH 510G |
| 重量 | 約3.7kg |
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