宮城県仙台市で買取させていただいた、Mamiya 7 N 1:4 80mmLをご紹介します。
マミヤ光機株式会社は、1940年5月に東京都文京区(当時の東京市本郷区)にマミヤ光機製作所として設立されました。発明家の間宮精一の技術と、菅原垣二郎の資本を元にカメラ製造を開始しました。
1984年、海外でのカメラ販売を手掛けていた主要株主の大沢商会が倒産し、会社更生法に基づく更生手続きを開始。この期間中、35mmフィルムカメラ(ミラクルマウントを搭載したマミヤZEシリーズ)の生産を中止し、中判カメラの製造に集中しました。
その後、1992年マミヤ光機が釣具機器メーカーのオリムピックに吸収合併され、1993年社名をマミヤ・オーピーに変更。合併後も「Mamiya」ブランドのカメラは継続されています。

Mamiya 7は、1995年にマミヤから発売された中判フィルムカメラで、6×7cm判のレンジファインダー方式を採用したレンズ交換式モデルです。標準レンズとして搭載されていたのが「Mamiya N 80mm F4L」で、35mm判換算で約40mm相当の画角を持ち、風景やスナップ撮影に適した万能レンズです。
このカメラは、フィルムカメラとしては異例の軽量設計が特徴で、ボディ単体で約1kgを切る重量を実現。標準レンズも約290gと非常に軽く、合計しても1.3kg程度で持ち運びが容易です。ミラーを持たないレンジファインダー方式により、シャッターショックが少なく、静音性にも優れています。また、レンズシャッターを採用しているため、全速でストロボ同調が可能という利点もあります。

ピント合わせは二重像合致式で、ライカなどと同様の操作感。最短撮影距離は1mとやや長めですが、風景やスナップ中心の撮影スタイルには十分対応できます。ファインダーはブライトフレーム式で、視野確認には外付けファインダーが必要な場合もあります。

販売台数は公表されていませんが、プロ・ハイアマチュア層を中心に根強い人気を誇り、特に風景写真家から高い評価を受けています。描写力の高さと階調の豊かさは、デジタルでは得られないフィルムならではの魅力を存分に引き出してくれます。
Mamiya 7は、軽量・高画質・操作性のバランスが取れた中判カメラとして、今なお多くの写真愛好家に愛され続けています。
【スペック】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | 1995年 |
| 使用フィルム | 120/220(6×7cm判) |
| レンズ名称 | Mamiya N 80mm F4L |
| レンズ構成 | 4群6枚 |
| 絞り範囲 | F4〜F22 |
| 最短撮影距離 | 1m |
| フィルター径 | 58mm |
| レンズ重量 | 約290g |
| ボディ重量 | 約950g(レンズなし) |
| シャッター方式 | レンズシャッター |
| ファインダー | ブライトフレーム式 |
| ピント方式 | 二重像合致式(レンジファインダー) |
| 販売台数 | 非公表 |
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