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カメラ初心者の撮影レビュー!初めてのフィルム一眼レフの撮影方法から現像まで
「フィルムカメラで写真撮影してみたいけど、カメラ用語が難しそう」「特別な技術が必要になるんじゃないの?」そう思っている方はいませんか?今回はデジタルカメラしか使ったことがないカメラ初心者スタッフが、マニュアルフォーカス(MF)のフィルム一眼レフを使って写真を撮っていきます。フィルムカメラに挑戦したいけど二の足を踏んでいる、という方は是非ご一緒に始めてみませんか?
「自分の持っているカメラが本当に使えるか分からない」という方は、同HP内の『使えるジャンクカメラを見つけるためには?』という記事を参考にされてみてください。
目次
フィルム一眼レフの撮影で必要なもの
今回使っていくカメラはASAHI PENTAXのSPOTMATICです。(以下SPと表記)
1964年発売の鉄ボディのフィルム一眼レフカメラです。
当時は付属のレンズがセットで42,000円。世界中で大ヒット商品となったため製造品数も多く、実際このカメラを査定する機会は多いです。このため中古カメラとして出回っている台数も多く、状態の良い機体が手に入りやすくなっています。
フィルム一眼レフで写真を撮るに当たって必要なものは以下のものになります。
①カメラボディ/レンズ
②カメラに対応する電池/電池アダプター
③フィルム
④フィルムを現像してくれるお店
この記事の前のもので、①②について詳しく書いているのでカメラの準備と電池についてはこちらを併せてご覧になってみてください。
(https://25reuse.com/blog/2015/)
今回は③④のフィルムの種類や現像を扱ってくれるお店、そしてMFフィルムカメラの撮影方法について書いていこうと思います!
③フィルムの準備
様々なメーカーの写真用フィルムが消えていく中、FUJIFILM(日本)kodak(アメリカ)Lomography(オーストリア)などの企業さんは現在でもフィルムを販売してくれています。
ISO感度が100で、24枚撮影可能のフィルムということですね。ISO感度とは、あるフィルムがどの程度の光量まで記録できるかを示す言葉です。
代表的かつ手に入りやすいフィルムのISO感度は100、400などです。(もちろん他にもたくさんあります!)
今回のフィルムはどちらかといえば感度が低めのフィルムなので、暗めの写真になるかもしれません。太陽の光の強い、晴れた日の屋外撮影向きのフィルムのようですね。
フィルムは家電量販店やカメラ小売店、Amazonなどではまだ簡単に購入できます。新品で700円弱くらいです。
カメラマニアのスタッフにお話を聞いたところ、フィルムもカメラやレンズと同様にメーカーによって写りが違ってくるみたいです。
カメラは一度ハマるとかなりの深さを持った沼みたいですね。
④フィルムを現像してくれるお店
こちらもすでにチェック済みです!
私は「カメラのキタムラ」さんで現像をお願いしました。現像自体には薬品を使ったりと時間がかかるため、現像には1時間ほどかかるそうです。
カメラのキタムラさんでは、
・現像代(700円前後~)
にプラスして
・印刷代(写真用紙に印刷してくれる。)(1枚40円前後~)
・デジタルデータ化代(CD書き込み)(500円前後~)
・デジタルデータ化代(スマホ転送)(800円前後~)
などからいずれかの選択ができるようです。
カメラの取り扱いのある大型家電量販店などはフィルム現像を取り扱っていることが多いので、近場のもので調べてみることをオススメします。
準備も整い、いよいよ撮影です!ワクワクします。
MFフィルムカメラを使った撮影
写真を撮るときの順番(「SP」の場合)は以下のようになっています。
1:フィルム装着
2:巻き上げ
3:ピントを合わせる
4:露出を決めて、ピントの再確認をする
5:シャッターを切る
6:1~5を繰り返して心ゆくまで撮影
7:フィルム巻き取り・回収
8:現像
実際にやってみる前に、カメラの部品の名前を確認しておきます!
1:フィルム装着
フィルムは光(明るさ)に反応して写真が写りこむので、できるだけ暗い部屋で装着します。
手元が見えないのでやりづらかったです。手練れの方は感覚で装着するんでしょうか。
使用済みのフィルムを使って装着イメージを書いていきます。
⑴裏蓋を開けて、ノブを引っ張ったままフィルムを装着します。入ったらノブを押し戻してフィルムを固定します。
⑵フィルムの出っ張りを引っ張って右側の引っ掛け部分に装着。
⑶巻き上げレバーで少しフィルムを巻き上げたあと、フィルムの穴とカメラ内部の引っ掛け部分が組み合わさっていることを確認してください。
⑷たるみがなくなるまで巻き上げてあげます。これで裏蓋をパチンと音がなるようにしめてあげれば完了です!
2:巻き上げ
フィルムが使えるところまで引っ張り出してあげます。
SPは「今何枚撮ったか」がわかるように巻き上げレバーのところにカウントが付いています。
0の前に二回カウントがついてますね。2回巻き上げてあげればフィルムが使えるところまで引っ張り出せて、カウントも始められるという親切設計です。
3:ピントを合わせる
カメラを構えてレンズを回し、ピントを合わせていきます。
わかりやすく私物の雪ひよこ製造機を置いて確認してみます。
ぼんやりしてます…
レンズくるくる回して調節します。
くっきりしてきました!一気にMFを操作している感じがして楽しいです。
わざとぼかしても面白い写真が撮れそうですね。
4:露出を決めて、ピントの再確認をする
(5:そしてシャッターを切る)
カメラ用語がでてきました!
ここがMFフィルムカメラの難しいところです。簡単に説明すると、
露出→カメラが取り込む光の量
こんな感じです。カメラが光をたくさん取り込めば明るい写真が撮れますし、その逆もしかりです。
綺麗な写真が撮れるよう、カメラが取り込む光の量(露出)を決めなくてはいけません。
ここで露出計が活躍してくれます。
露出計は言ってしまえば「綺麗な写真をとれるように、ちょうどいい光量が入ったときにメーターで教えてくれる機械」です。
もう一度カメラを構え、メーターを見ながら露出計のメーターが真ん中にくるようにしていきます。絞り・シャッタースピードを変更させながら調節。
絞り・シャッタースピードとは、
絞り→カメラに入る光を調節するところ
シャッタースピード→シャッターを切るはやさ
こんな感じなのですが、それぞれを調節するとどうなるのかもまとめておきます。
・絞り/F値
カメラが取り込む光の量を調節する部分・部品が「絞り」、絞りを狭める値を表す数字が「F値」。F値が大きいと絞りがより狭まり、F値が小さいと絞りが広がるようになる。
F値が大きい(絞りを狭める):光がすこしだけ入り、暗めのくっきりとした写真が撮れやすくなる。
F値が小さい(絞りを広げる):光がたくさん入り、明るくボケの多い写真が撮れやすくなる。
・シャッター速度
文字通りシャッターを切る早さ。シャッターが開くときにカメラに光が取り込まれる。
(同じ明るさの部屋・静物を撮るとき)
早い:カメラに入る光量が少ないので暗めの写真が撮れる。
遅い:カメラに入る光量が多いので明るめの写真が撮れる。
(同じ明るさ・動体を撮るとき)
早い:切り取る瞬間が短いのでブレにくい。(瞬間瞬間を切り取った写真が撮れる。)
遅い:切り取る時間が長いので、ブレやすい。(流れる光など面白い写真が撮れる。)
シャッタースピードは遅ければ遅いほどブレやすくなります。三脚などブレ防止の器材を使わない方はできるだけ早いスピードが良いかもしれません。
これらを調節し終えてもう一度ピントを確認し、あとはシャッターを切るだけです。(5:シャッターを切る)
6:1~5を繰り返して心ゆくまで撮影
イメージはばっちりです。それでは実際に写真を撮りにいきます。
撮影日の天気はまあまあの晴れです。撮影しやすいよう開けた場所に向かいます。
今回使用する「SP」は露出計の動きに不安な点もあったため、露出が合わせられるか、ブレないか心配です。撮影ではすこしズルして三脚を使いました。これで安心です。
撮影だ!というときに事件発生です、露出計が動いてくれません。初めての撮影なのに。
もともと動きが鈍かったので、ついに寿命が来たのでしょうか…。
しかしここまできたので撮影続行です。なるようになれ。
7:フィルム巻き取り・回収
全部で15枚ほど撮影してみました。何枚か「あっ…絞りの調節ミスった」「シャッタースピード間違えた~!!!」と感じました。
当たり前ですがどんな風に撮れているのかまったく確認ができません。
露出計のこともあり、心配ですがフィルムを回収し、現像に出してみるしかありません。
フィルムの巻き取りは簡単です。
⑴巻き戻しボタンを押した後、巻き戻しノブを引き上げて時計回りに回していく。
手応えがなくなれば巻き取り完了!
あとは日の当たらない場所で裏蓋を開け、フィルムをサッと回収します。
フィルムケースだけでは光を完全に遮断できない気がするので、使われていないレンズケースに入れて保管しました。あとは現像に出すだけです。
8:現像
フィルムを現像に出してきました。次が撮影した写真です。
撮れてる!!!!
嬉しいです。なにより、60年ほど前のカメラでこんなに綺麗に撮れるんだ。
正直もっとチープな出来になると思っていたのですが、かなり綺麗に撮れています。
雪ひよこの同じ画角の写真からも分かるように、絞りやシャッタースピードを変えただけですごく違う写りになりますね。背景をぼかした写真が撮りたかったので、狙ったように撮れていてとても嬉しいです。
もちろん失敗した写真も何枚かありました。
この2枚はメモに「失敗!」と書いてありました。f値かシャッタースピードをありえない設定にしたのかも。
f値:16 シャッタースピード250
値はそんなに悪くないはずなのに綺麗に撮れてないですね
明るく撮りすぎている(露出がオーバーしている)のでしょうか?白いもやがかかっているような出来になっています。ただ、綺麗に撮れていた写真があったことが嬉しくて、失敗した写真を見ても「なんだこれは!」と楽しくなりました。
これも、「現像してみるまでどう撮れているか分からない」フィルムカメラの魅力なのだと思います。さらに、マニュアルフォーカスのカメラを使ったことによって「こう撮りたい!」という気持ちを実現できたことが何より楽しかったです。まだまだフィルムで写真を撮ってみたいし、デジタルのMFも試してみたいな。
MFフィルムカメラをはじめて使ってみて
今回はMFフィルムカメラの選別から撮影まで行ってみました。
専用の電池がもう無いと知ったとき、カメラ用語を勉強しているとき、露出計が壊れたとき…心が折れそうになるときがたくさんありましたが、できあがった写真を見ていろいろ吹っ飛んでしまいました。知識として学んだことが、写真という実物として発揮されるとかなりの感動が生まれてくれます。
MFフィルムカメラは店頭やネット上など、今なら手に入りやすい環境が揃っています。
今後、スマホやデジカメに圧されて完全に入手困難になってしまう前に一度挑戦してみませんか?
簡単に綺麗な写真が撮れる時代だからこそ、写真を撮る工夫を楽しむことも良いんじゃないでしょうか。
また、おうちに眠っているカメラがある方は「フィルムを使って綺麗な写真を撮ってみたい」と思っている人に向けて、査定に出してみるのはいかがでしょうか。
ぜひ、ニーゴ・リユースにご相談ください!