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平成レトロのオーディオの世界。ラジカセや一世を風靡したCD/MDコンポ〜デジタルオーディオをレビューしてみた。
いま若い世代を中心に「平成レトロ」のブームに火がついています。写ルンです、たまごっち、プレイステーション、ゲームボーイ、スケルトングッズ、ギャルファッションなど様々な「平成」が新たに日の目を浴びているのです。
最近まで平成だと思っていた私からするとレトロ扱いされるのは若干違和感がありますが…
また、オーディオの世界にも「平成レトロ」と呼ばれるモノがあります。ミニコンポやラジカセ、ポータブルプレーヤーなど、その平成特有のデザインや音質を楽しむ人々もいるようです。
今回はそんな平成レトロなオーディオのご紹介をします。
目次
まず平成レトロとは?
平成レトロとは1989〜2000年代初頭に流行った文化・モノ・ファッションなどを再評価したり楽しんだりするムーブメントのことをそう呼びます。ちなみに、平成レトロはその次代を生きた人たちだけが楽しむものだけではありません。平成初期の文化にドストライクで触れてこなかった世代も新たに「平成」を再解釈して楽しむという文化でもあります。
個人的には「平成レトロ」の機器には昭和にはない「カラフルなデジタル感」があるなと思っています。携帯ゲーム機やポータブルプレイヤーを見てみてもディスプレイ画面がカラーなモノが多く、デザインに関しても昭和にはなかったポップなモノが多いと感じます。特にこの頃に流行ったスケルトンカラーはめちゃくちゃ平成っぽいですね…。
共有するツールとしての「平成レトロ」
平成レトロの楽しみ方の一つに「共有するツールとしての平成レトロ」があります。
「これ懐かしい〜」「これ自分以外にも覚えている人いるんだ!」など懐かしみを共有する方法としても楽しまれており、特にそういった面でSNSと抜群に相性が良いです。
平成に流行ったJ-POPはTikTokやInstagram、YouTubeをはじめとする様々なショート動画でも再生されています。私もたまに目にしますが、自分の青春時代の音楽が当時を知らない世代にも当たり前に浸透していてちょっと嬉しいです(笑)
例をあげると、小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」、大塚愛「さくらんぼ」、PUFFY「愛のしるし」、広瀬香美「ロマンスの神様」、久保田利伸「LA・LA・LA LOVE SONG」など。Z世代が幼いときに触れていた曲や、その親世代が若者だった頃に流行った曲が多い印象です。
再注目されている「平成レトロのオーディオ」
そんな平成を彩った楽曲たちを当時家庭で再生していたのが「平成レトロのオーディオ」たちです。まさかの令和になって再注目されています。
もちろん「昔は買えなかったけど今ではお小遣いの範囲内で買って楽しめる」という需要もありますが、個人的にはMVなどを観ていても国内外問わずやたらと平成に流行ったオーディオ機器が小道具として使われることが増えたな〜と感じます。
実際にCD・MD・カセットテープを持ち歩き、ポータブルプレーヤーで音楽を聴く人も増えています。HIP HOPでいえばCDではなくカセットテープでリリースするアーティストも見かけますね(Lo-Fiミュージックをカセットテープで聴くのは個人的にもいつかやってみたい!)
【SONY CDP-X33ES 1989年発売】
最近ではあえて「一手間をかけて楽しむ」という楽しみ方もあるんだとか。スマホが現れてからは音楽や映像もスマホがあれば良いのでハードに触れる機会がめっきり減っています。今の10代に関してはオーディオ機器に触れること自体が新鮮で楽しいと感じるレベルみたいです。
使い方いろいろミニコンポ
【PIONEER X−NT7MD 1998年発売】
そんな平成に人気だったオーディオの代表がミニコンポ(システムコンポ)でしょう。
コンパクトでスタイリッシュなデザインが特徴的で、CD・MDプレーヤーやラジオチューナー、カセットデッキが一体化されたものが主流でした。
SONY、Pioneer、KENWOOD、ONKYO、DENONなど様々なメーカーが音質・機能・デザイン・価格を競い合って発売してきました。
このミニコンポですがディスクやテープを再生して音楽を楽しむという使い方以外にダビング(複製)する機器としても使われていました。ストリーミングやダウンロードが主流になってから全然聞かなくなった言葉ですが、当時は楽曲を記録媒体(CD・MD・カセットテープ等)に録音するのにこういったミニコンポを使って、アルバム一枚ずつ(または1曲ずつ)ダビングによって手作業で作られていました。
大体はCDレンタルショップや友達から借りて、家に帰ってダビングするというのが主流でした。学生時代、自分の部屋専用のミニコンポが欲しくて親に交渉したという人も多いのではないでしょうか?
青春のポータブルプレイヤー
【SONY MZ-R909 2001年発売】
ウォークマンなどのポータブルディスクプレーヤーも圧倒的な人気がありました。当時はスマホが無かったので通勤・通学中に音楽を聴くなら必須アイテム。今のように大量に音楽を持ち運ぶことが出来なかったので、外出する前に今日の気分に合わせてディスクやテープを選ぶという時間がありました。
しかし、その後にiPodなどのポータブルメディアプレーヤーが出てからは音楽の楽しみ方がガラッと変わりました。
【Apple iPod nano 第6世代 2010年発売】
ディスクやテープとは違い「大量に音楽を持ち運べる」「PCから直接同期出来る(ダビング必要なし)」「軽量かつ小さい」など様々なメリットがあり、少しずつMP3などのメディアで音楽を聴くようになっていきます。今思うとダビングする必要ないっていうのも本当に大きいですね(当時50分のCDを1枚ダビングするのに基本的には50分必要でした…)
それから各社様々なポータブルメディアプレーヤーを発売しました。
Appleであれば「iPod Classic」「iPod Mini」「iPod Nano」「iPod Shuffle」「iPod Touch」など、SONYであればWalkman「NW-HD1」「Sony Walkman Aシリーズ」などが有名です。
【Apple iPod Classic 第6世代 2007年発売】
当時は小さいサイズ感なのに数千曲も持ち運ぶことが出来て感動したものです。そんなポータブルメディアプレーヤーですがスマホの登場により必要性が薄れ、需要が減少していきました。2017年にAppleがiPod nanoの販売を終了した衝撃は今でも忘れられません…
平成レトロとエモい感覚
この記事を書いていて平成には平成の良さがあったな〜と改めて実感しています。
音楽、アニメ、ドラマなどを観てみても「SNSで叩かれる」なんて恐れを何からも感じない粗さがあって、エネルギッシュで変化球少なめ。ときに見てるこっちまで照れるぐらい画面いっぱいにかっこつける感じとかも私の中ではめちゃくちゃ平成っぽいです(不意打ちで平成のドラマ主題歌やCM曲などを聴くとすごく懐かしい気持ちになります…)
また、音楽にしてみても平成の音楽をあの頃のオーディオで聴いてみるとまた違う感覚になります。私も実践しましたがエモさが全然違います。
音楽を聴くときの一手間や不便さ、ダビングした人によって音が全然違うディスクやテープ、オーディオによって若干色付けされた音質(平成の”良い音質とはコレ”が感じられる…と個人的には思ってます)など様々な音楽体験が出来ます。
10代のころに出会った初期衝動というか衝撃や感動を大人になってから超えるのはなかなか容易なことではありません。
「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションでしかない」というアインシュタインの有名な言葉がありますが、10代に「出会ったもの」「心が動かされたもの」は自分の価値観を形成する基準になっています。音楽体験も例外ではありません。
そう考えると最新の音楽、最新のオーディオ機器を買い揃えてもイマイチしっくりくるモノが少ないのはそういった事も要因なのかな…とか思ったりします。
少しだけ昔に戻って「あの頃の感じで音楽を聴きたい」という方は、ぜひ一度「平成レトロなオーディオ」を用意して音楽を楽しんでみるのはいかがでしょうか!
古いオーディオも誰かにとって「平成レトロ」なオーディオかもしれない。
令和が始まりまだ数年しか経っていませんが「平成レトロ」を楽しむ風潮が本格化していきそうです。ぜひ、みなさんも身のまわりの平成レトロを探して楽しんでみてください。
また、Bluetooth接続やサブスクなど便利なモノが増えてきましたが、平成時代に流行ったオーディオ機器は今でも多くの人々に需要があります。あなたのお家にある使わなくなったオーディオも誰かにとって「平成レトロ」としての需要があるかもしれません。
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