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Nikomat FT2の使い方。Nikonの中級フィルム一眼レフカメラ使用レポート
Nikonの一大ニュースが話題になっていますが、皆さんはNikonのカメラを使ったことがありますか?今回はNikonのフィルム一眼レフを使って写真を撮ったレポートを、他機種と比較しつつ書いていきます。古いフィルムカメラやNikonの一眼レフカメラについて知りたい!という方はぜひご一読ください。「Nikonのフィルム一眼レフカメラが家にあるみたいだけど、どうやって使うのか分からない。」「前からフィルムカメラに興味を持っていたけど、どのメーカーのものを選ぶか悩んでいる」という方に役立つ情報となっています!
FT2の基本情報と動作チェック
前回、「フルートグレード別吹き比べ」の記事を書いたふじMです。
最近、フィルムカメラにハマっているのですが、店舗でかなり状態の良いフィルム一眼レフカメラが買取されてきました。しかもNikon!Nikonといえば最近、一眼レフの開発をやめる方針を取ったニュースが大々的に取り上げられていますね。(※公式でこの報道を否定していましたが、どうなるんでしょう・・・。)Nikonカメラの素晴らしさをお客様から聞くことが本当に多いため、すごい時代だな…と驚いてしまいました。
たしかにNikonはデジタルカメラ時代ではCanonに遅れを取ってしまった印象が持たれているものの、フィルムカメラ時代では一番人気のメーカーなのではないでしょうか。少なからず私も憧れを持っていたメーカーです。
今回はそんなフィルムカメラを使った記事を書いていきます。
今回使うカメラは当社在庫のNikonのNikomat FT2です。(以下FT2と表記)
1975年にNikonから発売された一眼レフカメラ、発売当時は画像のレンズセットで64,000円です。
Nikonのフィルム一眼レフと言えば上級機のFシリーズが有名ですが、今回使うFT2は初級〜中級機と評価されているNikomat(ニコマート)シリーズのモデルになっています。
FT2発売前に販売されていた上級機Fシリーズのカメラ(F2 フォトミックやF2 フォトミックSなど)が10万円前後だったことを踏まえると、初心者の方やNikonメーカーに挑戦したい方などでも購入しやすいモデルだったことが伺えます。
今回のカメラはお客様が防湿庫を使ってしっかり保管してくださっていたので、外装はかなり綺麗です。
カメラとして使えるのかどうか、動作チェックをしておきましょう。
(以前フィルム一眼レフの動作チェックに関する詳しい記事を書いています。
今回は動作方法や用語の説明を省いているため、是非こちらの記事も参考にしてみてください。)「初心者必見!ちゃんと使えるフィルム一眼レフカメラを見分けるポイントを現役査定士が紹介!~動作確認と撮影方法~」
FT2はほぼ機械式のフィルムカメラなので、電池を用意しなくてもおおざっぱな動作チェックはできます。ただし、撮影時に重要な「露出計」の動作チェックもしたいので電池も用意します。
FT2に使用される電池は「ボタン電池SR44」
今も普通に使われている電池なので、代替品を探さなくていいのは楽なポイントです!
近所のホームセンターでは税込み492円、ちょっと高いですね。ネットだと若干安いかも?という価格です。(Amazon)
シャッター切れとシャッタースピードの変更OK、露出計の動作も問題なさそうです。
ただし一点気になることが。モルトプレンが劣化していてほぼ剥げかかっていたのです。
本来であれば張り替えてから使用するのが良いのですが、モルトプレンが劣化したままで撮った写真の写りも気になるのでこのままいきます。
撮影とFT2の使い方
早速撮影の準備です
まずは今回使うフィルム。Kodakの100フィルム24枚撮りです。
ISO感度100なので感度は低め。明るい屋外向きのフィルムですね。
以前使った富士フイルムのフィルムと同じようにできるだけ屋外で撮るようにしていきましょう。
次にFT2の基本的な使い方です。動作チェックと同様に用語の説明を省いているのでご注意ください。
(カメラ用語や基礎的なフィルム一眼レフカメラの使い方はこちらのブログ記事で詳しく書いています。「カメラ用語が分からない!」「フィルム一眼レフを使う参考にしたい」という方はこちらも読まれてみてください。)「カメラ初心者の撮影レビュー!初めてのフィルム一眼レフの撮影方法から現像まで」
まずは露出やISO感度をあわせる機構の位置をチェックします。
以前使ったPENTAXのSPはカメラの上部にいろいろ揃っていましたが、FT2はレンズ付近についてますね。
どうりでデザインがスッキリしていると思いました。
レンズに付いているダイヤルを回すとF値が変わるようです。レンズについている引っかけと、ボディ側についている出っ張りを装着させておくことでF値が選択できるようになっています。
カメラボディのレンズ付近のダイヤルにシャッタースピードとISO感度の指標がついていますね。シャッタースピードはダイヤルについているノブを回すと変更できます。ISO感度はノブの先端の金属部を引っ張って動かします。
そしてこのFT2、露出計内蔵のカメラなんですが、なんとカメラ上部にも露出計のメーターがついています。
いちいちファインダーをのぞき込んで確認せずとも、ちょうど良い露出が分かるようになっているんですね。便利だ。
そしてファインダーをのぞくとシャッタースピードが確認できるようになっています!
白い数字が選択しているシャッタースピードです。
各ダイヤルの位置などに違いはありますが、基本的にはSPと同じ使い方で大丈夫なようです。
【フィルム一眼レフカメラの撮影方法】
1:フィルム装着
2:巻き上げ
3:ピントを合わせる
4:露出を決めて、ピントの再確認をする
5:シャッターを切る
6:1~5を繰り返して心ゆくまで撮影
7:フィルム巻き取り・回収
8:現像
早速撮影に行きます。
(↑iPhone11で撮影)
撮影日は良く晴れた海辺です。カメラが重いため、基本的に三脚を使って撮影しています。
フィルムも現像に出し、準備完了。次がFT2で撮影した写真になります。
写真の出来上がり
(↑シャッタースピード1000,F8,1.2m)
(↑シャッタースピード500,F2,2m)
(↑シャッタースピード500,F4,10m)
撮れていますね!
以前SPで撮った写真はレトロ感のあるすこし黄色みのつよいような写りという感じがしますが、FT2はすこし青みがかったような爽やかな写りになっています。
(↑PENTAX SPで撮影した写真。)
撮影の時期やその日の日光量などでも写りが変わってくるのかもしれないですが、違うカメラでここまで写り方が変わってくると思いませんでした。
また、今回撮った写真は自分でデジタルデータ化しているのでそこも出来映えに関わってきているのでしょうか?
そして、今回も失敗写真がいくつかありました。
(↑シャッタースピード1000,F2,4m)
(↑シャッタースピード1000,F値4,1.2m)
このように光の線が入った写真がいくつかありました。
おそらくモルト劣化のせい?光が入り込んでフィルムが感光してしまったのでしょうか。
残念です。
ただ、SPを使ったときも感動しましたが、FT2も劣化している現状でここまで撮れるとは。もったいないので後日モルトの張り替えをしてみたいと思いました。
FT2を使ってみて
今回は憧れのNikonのフィルムカメラを使って撮影をしてみました。
見た目の格好良さやシャッターを切る瞬間、写真が撮れていたときの感動はフィルムカメラが一番な気がします。
せっかくなので上級機のFシリーズとの撮り比べもやってみたいところです。
皆さんも自宅に眠っている古いカメラを出して撮影してみるととても楽しいのではないかと思います。
ただ、今回のFT2のように古いカメラに劣化はつきもの。思ったよりもカメラが劣化して壊れていたり、今回の記事を読んで準備や整備が大変そうだと感じたときは、いちど査定に出してみるのはいかがでしょうか。
壊れていても、一台からでもカメラ好きなスタッフが査定に伺います。
ぜひ、ニーゴ・リユースにご相談ください!