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iPhoneの超広角レンズは写真が歪む?iPhone16と一眼レフ用の超広角レンズで比較検証してみた。
飲み会での集合写真、旅先で壮大な景色など「広い画角で撮りたい!」と思ったときに重宝するのが超広角レンズ。
一眼レフカメラ用の超広角レンズを買えば結構な出費になりますが、iPhoneであればiPhone11シリーズから初期装備で超広角レンズが付いています。
しかし、実際にiPhoneの超広角レンズで撮ってみると「あれ?なんか歪んでない?」ってことがあるかと思います。
これはなぜなのでしょう。iPhoneカメラのエフェクト的な効果なのか?それとも超広角レンズの特徴なのか?
今回はカメラ査定士の私が「iPhone16の超広角レンズ」と「一眼レフ用の超広角レンズ」を撮り比べてみました。
中ジョッキが小さい!!
とある飲み会での写真。
私は居酒屋で生中を飲むことを心の支えにして日々頑張って生きているのですが、iPhoneの超広角レンズで撮った写真の様子が少々おかしいです(真ん中で半分にカットして、右半分のみ写してます)

中ジョッキが小さい!!!
このお店のジョッキが元々小さかったのか?それとも私の顔のサイズと比べてそう見えるのか?どちらにしてもこんなミニジョッキで嬉しそうな顔は出来ないはずです。
それに加えて、画角の外側に位置しているお刺身も私の左肩も本来のサイズより少し大きめになっています。どうやら超広角レンズによって全てのサイズ感が変化しているようです。
このように超広角レンズによって遠くの物が小さく写り、近くの物が大きく写る現象を「パース」と呼びます。iPhoneで広い画角で写真を撮るとよくこのような現象が起きます。
パース(歪み)とは?
超広角レンズによって被写体が実際のモノよりも誇張されたり、遠近感が強調されて見える現象をパースと呼びます。特に四隅付近ではパースによる歪みが発生しやすく、垂直のモノが斜めになったり、本来のサイズより大きめに写る傾向にあります。
例えば、このコンビニ等でも売っている角瓶とニッカの瓶でパースを表現してみましょう。

iPhoneの通常レンズで撮るとこんな感じですが、超広角レンズで撮ると…

こんな感じになります。真ん中の瓶に比べて、左の瓶の形がパースによって歪んでいるのがわかります。
酒瓶でこれだけパースが狂うんですから人間も例外ではありません。超広角レンズで撮られたときに運悪く端っこにいるとパースしてしまいます。
iPhoneの超広角レンズで撮ると歪む?パースの被害者たち。

このような歪み現象の影響でパースの被害者は多数いると思います(端に写った人の顔が歪んだり、大きく写ったりなど…)
最近では様々な加工アプリが横行してることもあり「この歪みはiPhoneのエフェクト的な仕様なのでは?」と疑心暗鬼になる人も多いと思いますが、結論から言うとiPhoneの超広角レンズの写真の歪みは「超広角レンズ」の仕様です。
そこで今回は「iPhoneは悪くない!」を証明するために私の家にあった超広角レンズで比べてみました。
レンズはCanon「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」で、一眼レフカメラ本体はCanon「70D」を使用します。
スペックの差はこんな感じです。
iPhone16(超広角) | 70D + EF-S10-22mm | |
画素数 | 1200万画素 | 2020万画素 |
焦点距離(35mm換算) | 13mm相当 | 16-35mm |
F値 | F2.4 | F3.5-4.5 |
最大画角 | 約120度 | 約106度 |
レンズ構成 | 5枚 | 10群13枚 |
ちなみに両機の本体の発売日も10年ほど違いがあります。比較するにあたってこれだけ仕様に差があるので予めご了承ください…ちなみにAPS-Cサイズ機(70D)での焦点距離10-22mmはフルサイズで換算すると頑張っても16mmと同等の画角となります。
そのため、そもそも焦点距離13mm(iPhone16)と16mm(一眼レフカメラ)の違いは若干ありますが、今回は「iPhone16のパース(歪み)具合を一眼レフカメラとザックリ比べて知る」というところを主軸に2台を比較していこうと思います。
写真比較してみた。
まずは、iPhone16の超広角レンズで撮ってみます。

予想通りパースが現れていますね。画角の隅の方が膨らんでいるのがわかります。
次はデジタル一眼レフカメラの超広角レンズで撮影してみましょう。

同じスペックではないので正しく比較するのは難しいですが、それでも同じようにパースが出ていることがわかります。

仮に画角の隅に頭があるとこのように面長になってしまいます。撮影者が超広角レンズを準備し始めたら出来るだけ端っこにいかないように注意しましょう!
超広角レンズを理解して楽しもう!

iPhoneで初めて超広角に触れた人からすると「iPhoneで画角を広げると画像が歪む…」と思う人もいるかも知れませんが、これはパースという超広角レンズによる仕様だということがわかりました。
ただし、この歪み(パース)を利用してダイナミックで印象的な写真を撮ったり、画角外側に立って脚を長く見せたり、画角中心に顔が写るようにして小顔効果を得ることもできます。
この超広角レンズの特性を逆に活かすことが出来たら、さらに写真を撮ることが楽しめるかもしれません。
また、もしこの「パース」を少しでもマシにしたいのであれば、iPhoneの「レンズ補正」によって歪みを補正することも可能です。
【設定方法】「設定」→「カメラ」→「レンジ補正」をオンにする。

設定自体はとても簡単です。
もし、パースが気になるようであれば、ぜひ一度チェックしてみてください。
ちなみに「レンズ補正」あり・なしの写真比較がこちらです。

あまり大きな変化は見られませんが、超広角レンズの特性を理解したうえで見てみると有り難い機能だと個人的には感じます。
スマホと共存する一眼レフカメラ

ちなみに、今回歪みパースの比較対象で使われたCanon「70D」と「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」ですが、10年以上前には発売されたカメラとレンズにも関わらず、最新のiPhone16(2025年1月時点)と比べても画素数など圧倒的に超えるスペックを誇っています。
スマートフォンも手軽にキレイに撮ることが出来てとても便利ですが、一眼レフ・ミラーレスカメラの方が描写力や写真の鮮明さ、レンズで遊べる楽しさ等まだまだスマートフォンには超えられない魅力があります。
今回のような少し古い一眼レフカメラや交換レンズにも未だに需要があり、なかには中古相場でも高値で取引されているモノが多数あります。
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