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あの憧れのモニタースピーカーの名機たちを査定士が徹底解説!

オーディオをお楽しみの皆様は、どのような選定基準でスピーカーをお選びでしょうか?

音の出口を司るスピーカーはそのルックスも憧れの対象となり、品定めする際に悩まれた方も多いのではないでしょうか?

お聞きになるジャンルによって、ある程度のイメージは皆様個々にお持ちかと思いますが

今回はスピーカーの中でもモニタースピーカーに絞って話をしてみたいと思います。

今回の記事は自身もオーディオマニアなニーゴ・リユース郡山店の査定士 まこTがお届けします!

話をする前に、モニタースピーカーと名乗るための前提条件

モニタースピーカーと名乗るためには2つの前提条件があります。

・スピーカーそのものに、音に色付けがあってはならないこと。

・決められた性能を持ち合わせており、基準として音源を再生できること。

・音量を変えても、印象が大幅に変わらないこと。

モニタースピーカーは音響や放送のプロが使うものとして設計されています。次に紹介する名機たちはレコーディング現場やマスメディアの放送現場で活躍してきました。

放送局・スタジオで使用されていたモニタースピーカー

※大きさを表すラージ・スモールについては見た目からわかりやすく、一例として挙げさせていただいております。

<ラージモニター>

搭載しているウーファーの口径30㎝を超える機種をラージモニターと呼ばれます。

壁に埋め込むかスタンド立てで使われることが多く、フルレンジ1発の構成よりは、

2way・3wayのユニット構成で、ユニット単体に無理を強いることなく

広い音域を出すことができます。

大音量のドラム・打楽器系、低音域のベースなどの音圧・音量は小型のスピーカーでは再現しきれませんので、大きなユニットを搭載したスピーカーが必要となります。

三菱電機の2S-305(BTS型番 R305)]

¥47,000(1台、1958年発売時)~¥350,000(1台、1984年頃) 生産終了は2001年。

NHK技術研究所との共同開発によって開発されたスピーカーです。

私の知る限りでは、最も長く製造・販売されていたスピーカーのはずです。

何十年もの間、国内・海外の放送局や音響研究所等での標準再生用として採用されていました。

熟練の職人により1台1台組み立てられ、1台ごとの性能については無響室での実測データが添付されていました。

放送用モニタースピーカーは、クラシック・ジャズ・ロックといった音楽ソースのほか、アナウンス、朗読、コーラス等 人の声を中心としたソースにも忠実な再生が求められました。

国産のモニタースピーカーとして、70〜80代の方が当時から憧れてお持ちの方も多いかと思います。

なお、小ネタになりますがこの2S-305は、ニーゴ・リユース店舗のある福島県郡山市の三菱電機郡山製作所(現 三菱電機 郡山工場)でも製造されておりました。

さらに、このキーワードにピンとくる方もいらっしゃると思いますが、あの『ロクハン』こと、P-610Bも製造されていたスピーカーユニットの一つです。

・・・なんでロクハンなのかというと、16cm≒6.5inchなので『ロク』と『半分』で『ロクハン』です。

米国ALTEC社製のスタジオモニター 612C

1950年ごろの海外に目を向けると、通称『銀箱』と呼ばれるAltec 612が使われていました。

マイルス・デイビスやジョン・コルトレーンといったジャズプレイヤーによって、スタジオでのプレイバックに使われていたという記録が残っています。

今でも、当時のジャズをアナログで楽しんでいる方もいらっしゃるとは思いますが憧れの一つではないでしょうか?

『黒箱』『群青箱』『銀箱』とモデルチェンジを繰り返しながら時代は流れていきますが、銀箱のハンマートーンと呼ばれる、すこしザラっとしつつも光沢を帯びた塗装も特徴の一つです。

以前は鉛を含んだ塗料を使っていたようですが、現在では同じ素材では作ることはできないでしょうね。

<ニアフィールドモニター>

ウーファーの直径が20cm前後のユニットを搭載した製品がニアフィールドモニターに該当するでしょう。

30cm、38cmウーファーほど低域と音量は期待できませんが、

ラージサイズモニターではチェックしきれないノイズの確認に使われます。

要は『あら探し』です。

YAMAHA NS-10M(通称テンモニ)

1980年頃の日本では、YAMAHAがNS-10Mの販売をしておりました。なんと、製造終了まで30万台を超えるセールスだったそうです。

当時、ラジカセが大流行し、ラジオやテープ等の音源再生にラジカセを使う方が増えてきた時代です。

そのような再生機のスピーカーでの聞こえ方を想定したリファレンススピーカーとして

開発・採用されたモニタースピーカーの代表格がYAMAHAのNS-10Mです。

18㎝ウーファーの白いコーン紙、2WAYで密閉型。

これを、腕を伸ばしたくらいの距離(ニアフィールド)で使うことが多く

レコーディング風景や、アーティストの機材紹介、ミックス・マスタリングスタジオのコンソール付近などでも写真に写りこんでいるのをご覧になった方も多いのではないでしょうか。

私も、その風景に憧れた一人で

NS-10Mを手にしていたこともありますが、どうしてもウーファーのコーン紙が経年劣化で黄ばんできてしまうことと

メーカーに新品のユニットがないことをきっかけに手放してしまいました。

また、音をだすためのパワーアンプを選ぶスピーカーでもあり、組み合わせによってはしっくりこないと感じてしまうことも多かったようです。

<スモールモニター>

ウーファーの直径が12cm程度のフルレンジユニット1発搭載したものをスモールモニターと位置づけます。

見た目はあまり派手ではなく、力強い音が出そうにないイメージですが、

後述する、テレビやラジオから流れる音を想定したチェック用とされていました。

AURATONE(オーラトーン) 5C Super Sound Cube

正確な販売台数などは把握できておりませんが

こちらも世界中のレコーディングスタジオ、放送局で採用されていたモニタースピーカーです。

形くらいは、ご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。

登場したのは、1970年代頃とされています。

12.5cmのフルレンジ一発で潔い構成。

エンクロージャー自体も、15㎝程度の立方体をイメージしていただくと、だいぶ小柄な印象がつかめると思います。

なぜ、これを世界中のプロが使っていたのか。

当時の真空管ラジオや、テレビのスピーカーで出てくる音質をモノラルでチェックするためです。

テレビやラジオで突然耳に入ってくる音楽をかっこよく聞こえさせることができれば、その歌が流行り、レコードが売れる。

ラジオのヒットチャートで曲を知り、レコードを買うという層の購入意欲をそそるためには必要なアイテムだったわけです。

このスピーカーで、いわゆるリスニングをしても満足いく結果は出ないと思います。

いかんせん、中音域~低音域に関しては苦手。

ただし、人の声の音域 スピーチやボーカルに関しては、距離感や音像をつかみやすかったという話もあります。

AURATONE 5Cは、現在も販売されているスピーカーです。

一部では、音楽を聞く道具としてスマートフォンのスピーカーやイヤホン等、ローファイな音質を再現するために見直されているとか・・・。

さいごに

実際、私も体感していることなのですが、

音楽をじっくりソファーに座って聞くよりも『ながら聞き』が殆どです。

現在のニーズとしては腹に響き、ガラスがビビる程の低音は求めていないのです。

住環境の兼ね合いもありますが、80Hzから下の低域をズンズン出してしまっては、翌日から苦情の嵐でしょう。

現在は、自宅に帰る時間になると家族はもう寝る準備の時間ですので、22時~25時ごろの一人の時間は、もっぱらヘッドホンです。

そのヘッドホンも、業界のリファレンス品 モニターヘッドホンであるSONY MDR-CD900STです。

このヘッドホンは2代目でかれこれ20年の付き合いです。

やはり、現場のプロやアーティストが使っているのをみて、憧れて購入したのがきっかけで

これから考えるとすれば、部屋のどこにいても音像の定位がほぼ変わらず、低域はバッサリカットしてあえてのモノラルなシステムはどうか、と考えているところです。

音のイメージとしては、学校の教室の壁掛けスピーカーです。

真空管パワーアンプ、トランジスタのプリアンプ、JBL 4305H、そろそろ始めるターンテーブル等準備してリビングにおいてはありますが、ここ半年火を入れておりません。

こんな私のような心境の方、いらっしゃいませんか?

「昔は本格的なスピーカー使っていたけど、最近は全然音出してないから手放してもいいかな」と考えていらっしゃるのでは?

ご自身が、ご親戚が、ご友人がもしこんなお悩みをお持ちでしたら、

『古いけど』『壊れているけど』『断られたら嫌だな』なんて場合でもあきらめず、まずはニーゴ・リユースに買取査定をご相談ください!

査定が終わりお見送りいただく際に、『久しぶりにこんなに(長いときは6時間以上)オーディオの話ができて楽しかった』と言っていただけることも多くなってきました。

オーディオ大好きなスタッフが、喜んで査定致します!

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