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家にある古いカメラを使いたい!フィルム一眼レフカメラの使い方と動作確認方法

最近の年末の大掃除で家から古いカメラが出てきませんでしたか?

近年フィルム風の写真が人気が出ていることもあり、「古いカメラを使ってみたい」「フィルム写真を撮ってみたい!」と思う方も少なくないはず。ただし数十年ぶりに使うカメラや初めて見るカメラが使えるのかどうかは分からず、高いフィルムを無駄にして撮影チェックはしたくないですよね。

今回は中古カメラの買取をしているスタッフが、古いカメラの動作チェック方法を紹介していきます。

手元にある古いカメラは使えるのか?

年始の忙しさも落ち着いてきました。ところで年末に大掃除をした時に古いカメラが出てきた人もいるのではないでしょうか?

近年フィルム風の写真がSNSなどで人気が出ていることもあり、「使ってみたい」と思う方も少なくないはず。

ただし数十年ぶりに使うカメラや初めて見るカメラが使えるのかどうかはわからないですよね。

また、2022年12月時点でフィルム1本の使用・現像・データ化に3,000円前後がかかるようになっています。

FUJIFILM フィルム販売価格

カメラのキタムラ 現像価格

壊れているかもしれないカメラで高いフィルムを無駄にするのは避けたいところです。

そこで今回は中古カメラの買取をしているスタッフが、古いカメラの動作チェック方法をフローチャート式に紹介していこうと思います。

古いカメラと一口に言っても多くの種類がある為、今回は「カメラ本体とレンズが外れる一眼レフカメラ」「鉄製の古いカメラ」「主にMF(マニュアルフォーカス)で撮影する」といった1960年代〜1980年代のフィルム一眼レフカメラを取り扱っていきます。

カメラの部品名

PENTAXのSPOTMATICを例に、まずはフィルム一眼レフカメラの部品名を確認しておきましょう。

モデルによって違うデザインではありますが、大体のMFフィルム一眼レフカメラは同じような作りになっています。

では実際に動作チェックを行なっていきましょう。

チェック項目の案内に従って進んでみてください。

カメラの動作チェックフローチャート

1:シャッター切れチェック

電池を取り出してシャッター切れを確認します。

「巻き上げレバーを反時計回りに回してフィルムを巻き上げた後、シャッターボタンを押す」というのが「シャッターを切る」という行為です。カシャッ!という音がすればシャッターが切れている証拠です。

ちなみにフィルムを入れていない状態でシャッターを切ることを「空シャッターを切る」といいます。シャッタースピードを適当な数字に設定し、空シャッターを切ってみましょう。

・「シャッターが切れた!」→2へ

・「シャッターが切れない…」→3へ

巻き上げレバーの形やシャッターボタンの位置はカメラによって変わります。

フィルム一眼レフカメラを使う上で一番大切な動作です。必ず最初に確認しておきましょう!

2:機械制御式シャッターカメラ

お使いのカメラは電力を必要としない「機械制御式」のカメラのようです。
この形式のカメラは本体が壊れたり劣化しない限りいつでも写真が撮れます。

ただし、電池室がある場合はシャッター以外の動作で一部電力が必要になります。

次のチェック項目へ→4

3:電子制御式シャッターカメラorシャッターの故障

シャッターが切れないときは電池を入れてシャッターを切ってみましょう。カメラによって電池室の場所は様々なので注意が必要です。

大抵は底面に電池室がありますが、正面や側面についているものもあります。

・電池を入れたらシャッターが切れた!

→お使いのカメラは電力が必要になる「電子制御式」のカメラのようです。

電子制御式のカメラとして代表的なものが

「Canon Aシリーズ」です。これはレンズ横に電池室があります。

(Canon AE-1)

次のチェック項目へ→5

・「電池を入れてみてもシャッターが切れない…」「まず巻き上げレバーが動かない!」

→シャッター機構や巻き上げレバーが故障している恐れがあります。カメラ内部を確認して原因を確認してみましょう

次のチェック項目へ→6

4:通電チェック

「電池を使わなくてもシャッターが切れたのに、電池室がある」「ファインダーを覗くとメーターがある」というカメラは、カメラ内部のメーター(露出計)を使う為に電池が必要になる場合が多いです。

(カメラ内部のメーターの例)

このメーターは壊れていても写真自体は撮影可能ですが、メーターを使うと綺麗な写真が撮りやすいので通電はできるか、メーターは壊れていないか、電池室は綺麗か確認しておきましょう。

(↑電池室の蓋が若干サビついています。このカメラは電池室内で電池が液漏れし、固着して蓋が開けられなくなっていました。もちろん通電しません。)

詳しい確認方法はモデルごとの説明書を確認しましょう。メーカーから過去のカメラの説明書が公開されていることが多いので要チェックです。

もしメーターが動作しない・カメラの電池室が壊れているというときは修理に出すか、露出計を別に用意するのも良いと思います。

(「露出計とは?」という方へ。他記事で露出計を紹介していますのでぜひご覧ください。露出計って使うと何が変わるの?SEKONICの露出計「STUDIO DELUXE Ⅱ Lー398M」の使い方)

次のチェック項目へ→5

5:シャッターの機構チェック

シャッターが切れても「レンズの絞り羽」と「シャッタースピード」が調節できないとフィルム一眼レフカメラで工夫を凝らした写真は撮れません。

シャッターダイヤルからシャッタースピードを低速(1/1)と高速(1/1000など。)に変更してそれぞれ空シャッターを切ってみましょう。

・シャッタースピードが変わった!

→低速ではゆっくりとシャッターが切れ、高速では素早くシャッターが切れていればシャッタースピードが変化しています。

次のチェック項目へ→6

・シャッタースピードが変わらなかった…

→シャッターの機構が壊れている可能性があります。

シャッタースピードを変えても同じような速度でシャッターが切れるときはシャッタースピードは変わっていません。

シャッターが切れれば写真の撮影自体は可能ですが、被写体以外をぼやけさせたり光を伸ばしたりするような工夫を凝らした写真は撮れなくなってしまいます。

可能であれば修理をオススメします。

6:カメラ内部チェック

「フィルムバック(裏蓋)を開ける」「レンズを外してみる」これらを行なってカメラ内部の劣化具合を確認します。

主に確認するのは3つ。

「モルトプレーン」「ミラー」「シャッター幕」です。

ちなみに大抵のカメラは裏面からみて左側の開閉ノブを引っ張るとフィルムバックが開きます。

・モルトプレーン

光が入り込まないよう遮光の役割を担ったり、カメラの開閉の際に緩衝材になったりする素材です。通常はボディ正面のミラー近くやフィルムバック内部にあります。

古いカメラではこの部分が経年劣化でボロボロになっていることが多いため光がカメラに入り込み、はっきりとした写真が撮りづらくなります。

(モルトプレーンがあまり劣化していないカメラで撮った写真)

(モルトプレーンがかなり劣化したカメラで撮った写真)

この部分の劣化が激しいかどうかで撮れる写真の質も変わるので要チェックです。

・ミラー

鏡に光を反射させて写真を撮る為、ミラーが傷ついていたり動かなかったりするとまともな写真が撮れません。

また、ミラーが壊れているとそもそもシャッターが切れなくなっています。

大きなキズや汚れがないか、ミラーが欠品していたり壊れていないか要チェックです。

(レンズの外し方がわからない人は次のチェック項目へ→7)

・シャッター幕

フィルムバックを開けると最初に目に入る幕です。

ここが開くことでフィルムに光が焼き付く構造になっています。

空シャッターを切るときにこの幕が動いているか、キズがあったり破れていないか要チェックです。

 (シャッター幕がよれているカメラ)

内部をチェックした際、故障の原因が分かった方は修理を頼みましょう。

故障箇所が具体的に分かると修理料金や日数などの相場も分かりやすくなります。

また、内部チェックのついでにファインダーを覗いて綺麗かどうかもチェックしておきましょう。カビが発生していると撮影に支障がでる恐れがあります。

次のチェック項目へ→8

7:レンズ着脱方法

フィルム一眼レフカメラのレンズの着脱方法は主に3つに分かれます。

・ボタン式

レンズ近くに付いているボタンを押しながらレンズを回して着脱させるタイプです。

代表的なところではNikon、OLYMPUS、RICOHなどのメーカーがこの着脱方法を使うことが多いです。

ボタンにも様々な形、位置がある為分からないときはそれらしいボタンを押しながらレンズを回してみましょう。

・スクリュー式

レンズをそのまま回して着脱させるタイプです。スクリュー型で固定されている為、そのまま取れます。

代表的なところではPENTAXがこの着脱方法を使うことが多いです。

・リング式
レンズ根本のリングを回すとレンズが着脱できるようになっているタイプです。リングの印と本体側の印の位置を合わせると外せるようになっています。

代表的なところではCanonがこの着脱方法を使うことが多いです。

レンズの状態チェックへ→8

8:レンズの状態チェック

レンズが動作するか・綺麗かどうかをチェックしましょう。

・レンズの動作

シャッターが切れても「レンズの絞り羽」と「シャッタースピード」が調節できないとフィルム一眼レフカメラで工夫を凝らした写真は撮れません。

レンズは「フォーカスリング(絞り環)」と呼ばれる輪とそこに記載されている「F値」を使って内部の羽を動かし、カメラ本体に入り込む光の量を調整することができます。

MF時代のレンズであれば、絞り羽が動くかどうか確認しやすい為チェックしておぬきます。

大体のレンズはリングを回すと内部の羽が開いたり閉じたりする様子が確認できるはずです。

しかし中にはカメラと連動していないとリングが動作しないものもあります。

連動部を押さえながらリングを回すと羽が動くときもあるので、一度動かずとも諦めずにチェックしてみましょう。

(このようなマウント側の出っ張ったところが連動部分になっていることが多いです。)

・レンズ状態

レンズはカビが混入しやすく、保管環境が悪いとすぐに汚れてしまいます。

(カビの混入したレンズ。ぼんやりと白い汚れが確認できます。)

光を反対側から当ててあげてレンズに汚れがないか確認しましょう。

多くのカビが混入したり、レンズの接着剤が劣化した「バルサム切れ」になったりするとレンズ全体が白っぽくなり写真写りにも影響が出てきます。

(ぱっと見て綺麗なレンズでも光をあてて確認するとびっちりカビが生えているのが分かることも。)

チェック項目は以上です!

もっと詳細に確認できる箇所もありますが、基本的にはこれらの項目で問題なかったカメラは無事に使用できることが多くなっています。

おわりに

たくさんのチェック項目がありましたが、中でも

チェック項目1と5:シャッターが切れるか・シャッタースピードは変わるか

チェック項目6:内装は綺麗か・劣化は少ないか

チェック項目8:レンズは動作するか・綺麗か

このあたりが問題ないかどうかで「なんとか使えるカメラ」か「修理が必要なジャンク品か」が判別できます。

動作チェックで問題なさそうな綺麗なカメラをお持ちの際は、ぜひフィルムを購入して写真を撮られてみてください。

スマホやデジカメとは違った一枚をお楽しみいただけると思います。

(デジカメ・スマホ世代の筆者が撮影したフィルム写真。雰囲気のある写真が撮れてとても楽しいです。)

他の記事でもフィルムカメラ初心者が実際に写真を撮ってみた記事を書いているので、初めてカメラを使う方はぜひ参考にされてみてください。  

カメラ初心者の撮影レビュー!初めてのフィルム一眼レフの撮影方法から現像まで

また、今回のチェックでカメラが壊れてしまっていた方。とくに、修理を断念されたりお手放しを考えている方はぜひ、ニーゴ・リユースにご相談ください。

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