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Maxtone・YAMAHA・muramatsuフルート吹き比べ!初心者にオススメのフルートメーカーは?
「楽器をはじめてみたい・購入したいけど、どのメーカーを選んだらいいんだろう」新しく楽器に挑戦される方や初めて楽器を購入される方で似たような悩みを持つ方は少なくないと思います。
今回は中古楽器の買い取りをしているスタッフが、3本の異なるメーカーのフルートを実際に吹き比べ、各フルートのメリット・デメリットを比較していきます。その中で楽器初心者やはじめて楽器を購入する方にはどのメーカーがオススメなのか私見を述べていきたいとおもいます。
目次
初めて楽器を選ぶときの葛藤
前回、フィルムスキャナーについての記事を書いたふじMです。
今回は楽器についてです。
元々私は楽器(ホルン)をやっていたため、査定で知らない楽器やこっそりあこがれていた楽器を見かけるとつい「挑戦してみようかな…?」とよく思っています。
そのときチラッと思うのが
「憧れもあったし、初心者用でもせっかくなら良いメーカーの楽器を使ってみたい…。でも長続きするか分からない。初めての楽器はどんなメーカーにするのがいいのか迷うな」という気持ち。
「経験の無い楽器をはじめてみたい」「部活ではじめて楽器に触れて、そろそろ自分の楽器を買いたいと思っている」という方々の中にも、同じように思われている人がいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は初心者は何を優先して楽器を選ぶのが良いのか、3つのメーカーのフルートを用意して吹き比べをしてみようと思います。
フルートを選んだ理由は、「ギリギリ1オクターブ吹ける楽器」「経験が少なく、色眼鏡をかけずに吹き心地を試せる」というところです。
今回吹き比べるフルート3本。Maxtone・YAMAHA・muramatsu
今回は所属店舗で買い取った三本のフルートを使用していきます。
それぞれのメーカー・モデルと状態の詳細を一本ずつ紹介していきましょう。
Maxtone フルート
台湾のメーカーです。主に初心者に向けた、手の届きやすい価格帯の楽器を作っているメーカーのようですね。
現行のフルートはTF-40SとTF-40Nなどのモデルのようですが、今回使っていくのは状態を見るにかなり昔のモデルのようです。
くすみはありますがキィの固着などはありません。ただ、ジョイント部分が固い…
YAMAHA フルート YFLー311
日本で最も有名な楽器メーカー、YAMAHAさんのフルートです。YAMAHAさんはエントリーモデルからプロモデルまで、様々な種類・モデルの楽器のラインナップがありますが、初めて楽器に触れる方が最も目にするメーカーだと思います。今回使うフルートは生産完了品、つまり今は在庫のみでもう生産されていないモデルですが、初心者でも扱いやすいスタンダードモデルとされる一本です。
(公式HP:https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/winds/flutes/index.html)
かなり綺麗な状態です。少し触ってみた感じでも、特に問題はなさそうです。
muramatsu フルート (古い洋銀製のモデル?)
フルートといえば「muramatsu」と言われる、フルートの国内高級メーカーです。初心者からプロまで使用できるハイグレードな楽器が作成されています。今回のものは、特にモデル記載がなく、2番の座金上に製造番号が刻印されているのでおそらく古めの洋銀製のモデルのようです。現行の洋銀製モデル(ボディのみ)、EXが「はじめてフルートを手にする方にも」と紹介されているため、今回のものも比較的初心者にも扱いやすいモデルだと推測して使用します。
(公式HP:https://www.muramatsuflute.co.jp/)
多少くすみはありますが、破損や傷は全くありません。
吹きくらべと各フルートのメリット・デメリット
①息の入れやすさ
②音の立ち上がり
③出しやすい音域や高音・低音の吹きやすさ
④キィの固さ
この4点を比べていこうと思います。「なんとか音を出せる」レベルの初心者なので、それぞれのフルートで1オクターブを吹いてみて、感じたことを分かりやすいようまとめていきます。
また、私から見た各フルートのオススメできるところ・不安点も併せて書いていきます。
Maxtone
①少し息を入れにくい。ただ、一度音がでると息が入りやすく、綺麗な音が出てくれる。(同じ店舗のスタッフに聞き比べをお願いしたところ、他のフルートとも遜色ないと言ってくれました。吹き手のレベルもあると思いますが、驚きです。)
②息の入れにくさも相まって立ち上がりは不安定。
③中音域は出やすいですが、高音が出にくい。
④キィは結構軽め。(後述のYAMAHAより軽いくらい)ただ、レバーなどはちょっと重い。
〈メリット・デメリット〉
メリットはなんといっても価格です。新品で30,000円台~、中古品だと平均3,000円台~から購入できます。楽器は基本的に高価なものが多いので、決意がないと購入まで踏み切れないことが多いですが、他メーカーと比べて気軽に挑戦することが可能です。
その一方、故障のしやすさや音程のズレなど基礎的な機能で不安が残るのも事実です。
YAMAHA
①すごく息が入りやすい!吹き始めだけでなく音の移り変わりも綺麗に表現してくれます。
②音の立ち上がりも安定しています。いろいろな音からスタートしてみましたが、どの音も割と綺麗にでてくれました。
③中音・低音が出やすいですが、高音が出にくい。
④キィはしっかりしてます。ちょっと重めかも。
〈メリット・デメリット〉
メリットは安心のYAMAHA製品というところです。最も扱いやすく、機能や音質で一定のクオリティも保持してくれています。デメリットを挙げるとすると「単調さ」。YAMAHAのエントリーモデルの楽器を使った方であれば共感していただけると思いますが、技術の向上につれて、エントリーモデルではだんだんと物足りなくなっていきます。長い目で見るとずっと使い続けることは難しい楽器です。
ちなみにこのYFLー311は新品で130,000 円(税抜、希望小売価格)、中古品で20,000円前後になっています。
muramatsu
①すこし息が入りにくい。MaxtoneとYAMAHAの中間くらいでしょうか。
②立ち上がりは少し不安定。
③高音が出しやすい!オクターブの上のCを出すのに一番すんなり音が出てくれました。低音から高音への移り変わりも一番なめらかに表現してくれました。ただ、すこし低音を出しにくい。
④一番キィが軽かった。早いフィンガリングが必要な曲のときに嬉しいかも。
〈メリット・デメリット〉
メリットは品質です。モデルによるグレードの差はあれ、エントリーモデルのものでも長く使い続けることができます。また、買い取りスタッフの目線から見ると、muramatsuは人気のメーカーであることから「差し迫って手放さなければいけなくなったとき」も安定した買取額がつきやすくなっています。デメリットは当たり前ですが価格です。新品でも安い物で200,000円台、中古品ですら90,000円が平均価格になっています。
以上が吹き比べの感想と各フルートのメリット・デメリットです。本当に三者三様、いいとことろのあるフルートになっています。
初めての楽器でオススメなメーカー
今回、3本の異なるメーカーのフルートを使って吹き比べをしました。
中古品ということも要因にあるかもしれませんが、初心者の私でもメーカーごとの違いやそれぞれの善し悪しを感じることができたため、それぞれ全く違う特徴のあるメーカーで、比べてみてとても面白かったです。
吹き比べてみた結果、個人的には初心者の方・はじめて楽器を購入される方にはYAMAHAのフルートがオススメだと感じました。息の入れやすさと音の出しやすさ、そして絶妙な価格帯が3本の中で一番挑戦しやすいと感じたためです。
やはり安心と安定のYAMAHAさん。初心者に一番寄り添った吹き心地だと感じました。
一方、他の2メーカーも本当に吹いてみて楽しかったですし、それぞれのメリット・デメリットもありました。より良いオススメの仕方としては、
・楽器の知識はある程度持っているが、初めてフルートに挑戦したい。でも長続きするか分からないという方:Maxtoneを初めとした輸入楽器
・楽器自体がはじめて!とりあえず上手になりたいという方:YAMAHA
・ずっとフルートに憧れを持っていた。上手くなって、長く楽しんでいきたいという方:muramatsu
といった具合にそれぞれの希望に合わせて楽器を選んでいくのが良いかもしれません。
また、最初の一本で全てを決めてしまうのではなく、モデルやメーカーをグレードアップさせていくのもオススメです。同じメーカーでも、モデルをグレードアップするだけで吹き心地や使い心地はぐっと変わります。
とはいえ、楽器を増やしていくのに費用は悩みの種。安く手に入れるなら中古楽器という選択肢もありますが、綺麗さやお手入れのやり方には不安がありますよね。
以下の記事で楽器の中古楽器の使用レポートやお手入れ方法をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
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