- カメラ
まだまだ人気の中判カメラ!MAMIYA M645 1000Sを使ってみた話
カメラが登場してから約110年の歴史の中で、非常に幅広い層に支持されてきたのが中判カメラです。例えば35mmフィルムカメラの画質に満足できないハイアマチュア、さらにスタジオ・広告・風景撮影等の用途で大判カメラを使用するプロが大判カメラを持ち出せない場所で高画質を求める場合にも活躍しています。今回はニーゴ・リユースのカメラマニア「まこT」が、思い出話を混ぜながら中判カメラの魅力をお送りします。
私のファーストカメラ
私の父が、知人から譲り受けたと聞いているマミヤ NC1000s
カメラバックに入って箪笥で保管されていたのを小学生の頃見てはいましたが触らせてもらえたのは高校に入ってからでした。
当時販売されていたオリンパス OMシリーズや、ニコマート FTシリーズによく似た良くも悪くも一般的なデザインで、絞り優先AEの使いやすいカメラです。
1978年前半に販売開始されたカメラですが、当時のマミヤはころころとレンズのマウント方式を変えていたことと、前年にはマルチモードAE搭載のミノルタXD、同年4月には、キヤノンA-1が当時最高級機として販売され、その陰に隠れてしまい、それほど売れることなくわずか2年という短命でその役割を終えた悲しきカメラです。
ボディとともに、オートマミヤセコールCS 50mm F1.7 1本しかなかったので、他のレンズのラインナップやマッチングを、当時のインターネットで調べていましたが、生産されたレンズの数と国内流通の絶対数が少ないという情報がほとんどでした。
掲示板で識者から話を聞いていましたが、学生の私がこんなことを聞いてくるというのを大分驚かれたのを覚えています。
交換レンズも下記の通りで、ラインナップが他社とくらべてかなり少ないです。
また、このボディ専用マウントのため他への流用もきかなかったのも短命だった理由です。
あまり世間に出回らなかったですが、この標準構成のカメラこそが、私のファーストカメラなのです。
私のファースト”中判”カメラ
結婚して家族を持ち、義理の父と趣味が共通する部分もあり、カメラの話をするようになりました。
写真の話をしていると、銀色のトランクから出てきたのはマミヤ M645 1000Sでした。
M645 1000Sボディ+PDプリズムファインダー
レンズは、単焦点レンズ3本 55mm f2.8 / 80mm f1.9 / 210mm f4
中判カメラでいうところの、広角/標準/中望遠レンズのセットです。
簡単にスペックの紹介です。
型式:6×4.5(645)判 電子フォーカルプレーンシャッター
シャッタースピード:B、8秒~1/1000秒
使用電池:6V酸化銀電池
ファインダースクリーン:マイクロ/スプリット 45°
ファインダー:PDプリズムファインダーS 露出計内蔵型
重量:ボディ、ファインダー、レンズでおおよそ2kg
※これでも当時は機動力高い部類です。
20代の私には、35mmフィルムカメラと比べて大型のカメラがとても魅力的に見えました。
当時は使い方も分からなかったので、電池を入れてもらってシャッターチャージ、シャッターを切ってもらった時の衝撃(シャッター音)といったら、35mmフィルムカメラのカシャっという軽快なシャッター音とは比べ物にならず、なんとも言えない迫力でした。
その時は、いつかは触ってみたいな~程度の感じでした。
私が実際に使ってみた話
2010年に長男が生まれて、お宮参りの計画を立てたときです。
記念に、写真を撮るのは当然の流れだったのですが、デジタル”だけ”で撮るのも味気ないなと思いながらもお義父さんに相談したところ、快く貸していただけました。
行きつけのヨドバシカメラにいき、贔屓の店員さんに声をかけ
コダックのEktachrome E100Gを1本購入。
いつもデジタルの話ばかりする私が突然フィルム購入のために来店でしたから、久しぶりに売れましたと驚かれました。
当時の値段は忘れましたが、今は5本で17,000円もするんですね・・・。
当時はフィルムの装填方法すら分からなかったので、ネットで調べてなんとかシャッターが切れるところまでこぎつけ、いざフィルム装填。撮影に行く前に、お作法が他のカメラと違うため、撮影までの工程を簡単にご紹介します。
左上から
1、空のスプールを下段に移す。
2、新品のフィルムの巻紙を取って、ベロを上側に出し装着する。
3、[120]のつまみと上段ロールの間を通して背面に回す。
4、下段スプールの切れ込みにベロを挿す。
5、下段スプールの右側を回して、[←START]が見えるまで送る。
6、本体に装着。※このとき、フィルム室に空っぽで蓋を閉めると、開けるのに苦労します。
7、クランク左下のMULTIを解除して、クランクが止まるまで回す。
8、カウンターに[1]がでたら準備完了!
全然簡単じゃなかった!
ではファインダーを覗いてみます。
譲り受けたままでメンテナンスをしていないので、スクリーンにゴミがありそうです。
どちらかというと、プリズムファインダーよりは、ウエストレベルファインダーを装着すると、より中判カメラを扱っている気になるので、いつか手にしようと思います。
電池が生きていれば、露出計が緑と赤で何かを知らせてくれています。
この状態は基準露出より1段明るいということなので、1段階絞る(F5.6であればF4)か、シャッタースピードを早め(1/60なら1/100)ます。
真ん中の斜め線がスプリットで、ピントを合わせるとくっきりと見えるようになります。
前述の35mmカメラ MAMIYA NC1000Sも45度スプリットなので、私の中ではピントを合わせやすいスクリーンです。
明るくて、じっとしている被写体なら、ピントを外すことはほぼないと思われます。
さて、当時の撮影の話に戻ります。
当日は、比較的大型の三脚にカメラを載せ、自分抜きで一度構図を作りセルフタイマー8秒でダッシュを繰り返しました。
カメラマンがいれば、こんなことせず撮影できるのですが致し方ないです。
撮影後紙焼きまではしなかったのですが、Ektachromeを選んだのは繊細なイメージをフィルムのまま見れることが決め手でした。
現像したフィルムがこちらです。
※本人以外はマスクさせていただきました。
ライトボックスで背面から光を当てています。
当時からポジフィルムを使っている方々はこのやり方で写真の選別をされていらっしゃいますね。
実際に使うのはこの時一回きりかな、と思ったのですが最近フィルムカメラを再稼働させた流れで、お義父さんに話をしたところもう使わないからまこT君に任せるから持って行っていいよと言っていただけました。
このマミヤ645 1000sで、時間を作って撮影に出かけてみようと思います。
デジタルであれば、バッテリーとメモリーカードさえ準備できていれば、ほとんどのシーンはカメラ任せで撮影出来てしまいます。
スマートフォンだと、その場で写真も送ることができますね。
フィルムはまず、未開封状態の保管方法も重要。(冷暗所が基本)
装填も慣れないと、素早くできません。
カメラのボディ、レンズも35mmシステムと比べて大型でかつ重いです。
露出に関しては、露出計を頼りにしますがポジの場合はもう一つ二つ考えなくてはならないこともありますし、デジタルのように撮影中にISO感度を変えることも出来ません。
撮影後も、今は町の写真屋さんではもう現像できないところがほとんどですし、現像代、紙焼きの費用もかさみます。
実際に、2022年4月から富士フィルムでも写真関連サービスの値段改定(全て値上げ)をされており、写真ファンにはこれからも楽しんでいきたいところですが、大変に厳しい状況が続いています。
このブログをご覧に頂いている方の中には、昔使っていたけどしまい込んだままだとか使い方も忘れたし、フィルムを買って現像までしてという流れを面倒と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
中判カメラ問わず、フィルムカメラはデジタル全盛のこの時代、準備とお作法が重要な要素となっております。
そんな中、そのお作法も含めて楽しもうと、デジタルカメラやスマホに慣れてしまった世代(20代~40代)が今フィルムカメラでの撮影に挑戦していて、人気が再燃しているのも事実です。
昔高価だった中判カメラはいまだに人気のモデルもあります。
まとめ
今回はマミヤでまとめましたが国産機でしたらマミヤの上級機であるRZ67,RB67、ペンタックス645,67、ゼンザブロニカ、フジ、舶来品でしたら、ハッセルブラッド、プラウベル makina67、カメラ本体、レンズはもちろん未使用のフィルムやカメラ関連のアクセサリ類ももちろん査定致します。
こんな古いものでも大丈夫なの?
レンズにカビがあるけど、値段つくの?
動くかわからないけど大丈夫?
といった場合でもあきらめず、まずはニーゴ・リユースにご相談ください!
カメラ大好きなスタッフが、喜んで査定致します!