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約10年前のミラーレス一眼X-E1 VS iphone13pro! 徹底比較!
昨今のスマートフォン業界は急速な進化を遂げている。その中でもカメラ機能の進化については、各社しのぎを削っている状況だ。一方のカメラ業界では、各社「ミラーレス一眼カメラ」の開発に力を入れている。しかし、依然として新モデルが出るたびに価格が高額化しているため、中古のミラーレス一眼を検討する方も多いはずだ。そこで今回は、最新のスマートフォンと約10年程前に発売されたミラーレス一眼を比較して行こうと思う。
各機種のスペック
先ずは、比較する機種のスペックから紹介しよう。
昨年の9月に満を持して発売され、世界中で品薄になるほどの人気を博したスマートフォン「iPhone 13」シリーズ。バリエーションは、下記の4点。
・iPhone 13 mini
・iPhone 13
・iPhone 13 pro
・iPhone 13 pro max
この中で、今回用いるスマートフォンは、筆者も普段使用している「iPhone 13 Pro MAX」(発売当時価格:約13.5万~)だ。これらのモデルにはそれぞれの特徴があるが、特に目を引くのは「pro」シリーズに搭載される「3眼カメラ」ではないだろうか。もちろん、今回使用する13 Pro MAXにも搭載されている。
このカメラのスペックは下記の通り。
・画素数:1200万画素
・スローシャッター(ナイトモード)
・望遠:ƒ/2.8絞り値 約77mm(35mm版換算)
・広角:ƒ/1.5絞り値 約26mm(35mm版換算)
・超広角:ƒ/1.8絞り値と120°視野角 約13mm(35mm版換算)
・6枚構成のレンズ(望遠、超広角)、7枚構成のレンズ(広角)
・3倍の光学ズームイン、2倍の光学ズームアウト、6倍の光学ズームレンジ
・最短撮影距離:約2cm程度
・最大15倍のデジタルズーム
・デュアル光学式手ぶれ補正(望遠、広角)
・センサーシフト光学式手ぶれ補正(広角)
※Apple社公式ページより引用。
仕様を見る限り、かなり明るいf値のレンズとセンサーシフト方式の手振れ補正が、あの薄い筐体の中に積まれているというのが驚きだ。とはいえ、数値だけでは語れないのがカメラの世界である。
対するミラーレス一眼カメラは、2012年の9月に富士フィルム(FUJIFILM)より発売された「X-E1/XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS Black」である。こちらも同じく筆者愛用機種だ。(発売当時価格:約13万円)
この機種は、同社から初めて発売されたミラーレス機の「X-Pro1」の性能をブラッシュアップし継承しておきながらも、光学式ファインダーをEVFに変更することでボディ価格を約2/3程度まで抑えて発売されたモデルである。また、同社はフィルムカメラ全盛期よりフィルムメーカーとして活躍してきた経歴があり、その技術が今回の機種のセンサーに生かされている。レンジファインダーを彷彿とさせるクラシカルなデザインから、依然として中古でも人気が高いカメラの一つだ。
実際、同社の機種はフィルムカメラ時代のユーザーからの評価が高く、現行機種においても、どこかフィルムらしさを感じさせる写りを魅せる。これは、他のメーカーには生み出せない、フィルムメーカーだからこその強みであるといえよう。
合わせて使用するレンズは、当機種の標準レンズキットとして販売され、現在でも現行品として購入できるズームレンズ「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS Black」である。キットレンズでありながらも全体的な質感が高く、写りも定評があることから、発売から10年弱たった今も愛され続けているロングセラーのレンズだ。
これらの機種のスペックは下記の通り。
【ボディ】
・画素数:1630万画素
・ISO感度:200~6400(拡張感度設定:ISO100/12800/25600)
・露出制御:プログラムAE/絞り優先AE/シャッタースピード優先AE/マニュアル露出
・露出補正:-2.0EV~+2.0EV 1/3EVステップ
・シャッタースピード:30秒~1/4000秒 (全モードあわせて)
【レンズ】
・焦点距離:f=18-55mm (35mm判換算:27-84mm相当)
・絞り:最大F2.8-最小F22
・10群14枚(非球面レンズ3枚、異常分散レンズ1枚)
・最短距離:標準 0.6m – ∞(ズーム全域)
・マクロ:広角30cm-10m、望遠40cm-10m
・手ブレ補正:3.5段
※富士フィルム社公式ページより引用。
やはりカメラという製品として開発されている為、細かい設定項目やレンズ構成などは細かく贅沢なスペックとなっている。約10年前の機種とは言えど、仕様上は今でも十分通用しそうだ。ただし、オートモードを使用した場合、いくつかの機能や性能が少し制限されてしまう。マニュアル操作やデジタルカメラに慣れている方でないと使いこなせない機能も多いため、初めてミラーレス一眼カメラを手にする方はオートモードをメインに使用すると思う。つまり、ミラーレス一眼カメラも同様、ソフトウェアの完成度がかなり重要になるわけである。
というわけで今回は下記の2台。
・Apple「iPhone13 Pro MAX」
・富士フィルム「X-E1/XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS Black」
この両者で比較してみよう。
実写比較
今回の比較にあたり、被写体や撮影場所は同じ条件にあわせ、一眼カメラ側は標準レンズのみの使用。また、両者ともオートに設定し、あくまでソフト任せでの比較とした。
屋外撮影
まずは、屋外撮影。
※iPhoneは広角カメラ、X-E1は35mm前後、フラッシュ無しの逆光状態で撮影。
iPhone 13 pro MAX
X-E1
この結果では、両機種の色づくりの違いがよく見える。iPhoneはシャープネスの効いたきりっとした色が出ており、対するX-E1はやはりフィルムらしい柔らかな仕上がりとなっている。それぞれの弱点があるとすれば、iPhoneは周辺部分の歪みが発生し、X-E1はフレア(ゴースト)が発生している。
また、最広角側での作例はこちら。
※iPhoneは超広角カメラ、X-E1は18mm、フラッシュ無しの順光状態で撮影。
iPhone 13 pro MAX
X-E1
これは正直、好みが分かれるところであろう。確かに、iPhoneはかなり超広角で迫力がある。しかし、周辺側の歪みは顕著に出てしまっている。対するX-E1は標準レンズのため、超広角といえるほどではないが、標準レンズとしては十分。なおかつ、周辺の歪みもそこまで大きく出ていない。筆者としても、甲乙が付け難いところである。
そして、望遠側での作例はこちら。
※iPhoneは望遠カメラ、X-E1は55mm、フラッシュ無しの逆光状態で撮影。
iPhone 13 pro MAX
X-E1
ここは流石のX-E1、一眼レフの強みを遺憾なく発揮している。iPhoneも光学3倍ズームを搭載しているため、十分な仕上がりとなっているように見える。しかしよく見ると、X-E1に比べてノイズがかなり目立っている状況だ。その点X-E1はiPhoneよりも寄れている上、全体的に自然かつ解像度の高い写りとなっている。やはり望遠になると、スマートフォンは未だ成長途中なのであろう。今後に期待したいところだ。
屋内撮影
次は、屋内撮影の場合。
※iPhoneは広角カメラ、X-E1は22mm前後、フラッシュ無しの室内蛍光灯下で撮影。
iPhone 13 pro MAX
X-E1
この結果では、若干iPhoneが優勢である。iPhoneオートモードでも自然な明るさで解像感も高い仕上がりとなっている。対するX-E1はオートモードだけでは厳しく露出補正が必須な上、解像度も低い。実際の撮影時も、X-E1は屋外に比べるとAFに迷いが起きやすかった印象だ。
マクロ撮影
iPhone 13 pro MAX
X-E1
ここはiPhoneの圧倒状態ではないだろうか。スペック上にある最短2cmのマクロ機能は伊達じゃない。この作例に写っているカメラのミニチュアには約3cmほどまで寄っているが、ピントの迷いも一切なかった。対するX-E1はマクロ機能をオンにして撮影をしても、これ以上寄ることができない上、コントラストも低い。欠点としては、iPhoneはマクロ機能がオンになると、環境次第ではノイズが目立ってしまうことだ。また、X-E1の欠点は前述した通りであるが、ここはマクロレンズに交換すれば解決できる問題であろう。しかし、iPhoneはスマートフォンというマルチ端末であるにもかかわらず、標準の内蔵機能のみでの本格的なマクロ撮影を実現している。これは抜かりない事実である事には間違いない。
夜景撮影
最後に、夜景撮影。
※iPhoneは広角カメラ、X-E1は20mm前後、フラッシュ無しの手持ち環境で撮影。
iPhone 13 pro MAX
X-E1
これは両者とも互角。日中の屋外撮影と同様に、両者の強みがそれぞれ表れている印象だ。iPhoneは最新の画像処理技術により手振れがほとんど起きないが、センサーサイズが小さい為かノイズが目立っている。対するX-E1は手持ち撮影の場合は手振れ補正がやや弱い印象だが、この暗さでもノイズがほとんど出ていない。一長一短ではあるが、解像度の高い夜景はiPhone、肉眼に近い自然な夜景はX-E1といった形で使い分ける事も出来るであろう。
まとめ
今回は、「iPhone 13 pro MAX」と「X-E1/XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS Black」を徹底比較してみた。発売からの経過年数の差はあるが、それぞれに良さがあり、実際の甲乙はつけがたい結果となった。
iPhoneの強みは、なんでもオールマイティーに写せる性能を、アプリ制御によって誰でも簡単に使いこなせるところだ。もちろん、基本設計がスマートフォンである以上、携帯性能においては申し分ない。
対するX-E1の強みは、カメラとしての完成度の高さだ。カメラは画質だけが全てではなく、機械をいじるという独特の楽しみ方がある。今回はあくまでオートモード&標準レンズでの比較であるため、マニュアルモードでの設定を覚えたり、交換レンズを揃えたりすることで、実際の仕上がりは全く違ったものになるであろう。
また、一眼レフカメラというものは、確かに高価な趣味に間違いない。しかし、中古という選択肢で見れば、その価格という壁もグっと低くなる。場合によっては、当時50万円ほどしたカメラが5万円程度まで値下がりしている機種もあるからだ。むしろ、現在のスマートフォンの中には20万円を超えるものまで出てきている状況であるため、スマートフォンにおける安さという武器はほぼ無しに等しい状況だ。
それぞれの機種のメリットとデメリットを理解し使い分ける。少し贅沢かも知れないが、これが現代のカメラの楽しみ方かもしれない。
中古カメラの購入を検討している方はもちろんだが、既に古いカメラが押入れに眠っているという方も、この機会にもう一度引っ張り出して使ってみては?もしかしたら、第二の新たなカメラ人生の幕開けになるかもしれませんよ!
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